今朝の新聞に、「20歳以上の男女の8割が医療費に不安を幹事、薬の価格に高い関心を持っている」というインターネット調査を上げていた。詳細は省くけれど、記事のまとめとして「患者自身が適切な薬を選べるように」薬への知識を高めることの重要性を呼び掛けるとあった。
確かに薬は大切だけど、そもそも薬が必要なくなるように指導していくことが本筋なのではないか?と思った。
先日、患者さんより『体質と食物〜健康への道』(秋月辰一郎著、クリエー出版)という薄いブックレットを頂いた。秋月先生は長崎原爆を1.8kmの近距離で被爆しながら、後遺症を食事療法で自然治癒力を高めることで抑え、天寿を全うされた医師だ。最近、ネットで”内部被爆は味噌と玄米で防ぐ”といった記事を見かけるがその原典『死の同心円』を著した方でもある。
秋月先生はこう説く。
人間の体質を作り変えることが医学の本然の姿であると信念による。人間の体質を作り変えて、病気にかからなくてすむ身体、また病気にかかっても軽くて治る身体になることである。
このように述べられ、味噌汁こそ日本人にとって基礎となる食事だと説く。長崎原爆で秋月先生のみならず看護士や患者さんも含め「いわゆる原爆症が出ないのは、その原因の一つは、わかめの味噌汁であったと私は確信している」と仰る。
薬を飲むことが治療の第1歩ではなく、まずは日常の食生活に健康の基礎を置くことを述べておられる。もちろん、運動や休眠、風呂なども大事だろうが、身体を保つ重要な基礎は、身体を構成する食べ物にこそあると言える。
何か症状が出てからそれに対してどうする、というのではなく、症状が出る前に日頃から対処しておく。こうした姿勢が大切なのではないか、と新聞記事を読んでいて思った。
僕も患者さんに生活全体についてアプローチできるように知識や経験を広げなくてはいけないな、と思いました。